午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。
問題
三角形ABCにおける、tan(A)、tan(B)、tan(C)が整数となる、
(tan(A), tan(B), tan(C))の組をすべて求めよ。
シンキングタ~イム
整数問題ですので、鉄則を発動します。
- 積=定数の形にする。
- 範囲を絞る。
- 倍数や余りを考える。
これが整数問題の鉄則です。
いきなりやれることが無いですね。
さて、どうしましょうか。
三角形の性質で、3つの角の和は180˚。
式にすると、
A+B+C = 180˚ …(1)
となります。
この式は対称式なので、
A≦B≦C …(2)
とおいても、一般性は失われない。
と、自ら範囲を設定することが出来ました。
A+A+A≦A+B+C = 180˚
ですから、
0˚<3A≦180˚
0˚<A≦60˚
0<tan(A)≦√3≒1.7320508
0<tan(A)<2
tan(A) = 1
A = 45˚
となり、3つうち、1つが消えました。
(1)式に代入すると、
45˚+B+C = 180˚
B+C = 135˚
tan(B+C) = -1 …(3)
(2)式に代入すると、
45˚≦B≦C
tan(45˚)≦tan(B)≦tan(C)
1≦tan(B)≦tan(C)
(3)式より、
(tan(B)+tan(C))/(1-tan(B)tan(C)) = -1
tan(B)+tan(C) = -(1-tan(B)tan(C))
tan(B)+tan(C)+1-tan(B)tan(C) = 0
tan(B) = x
tan(C) = y
とおくと、
xy-x-y-1 = 0
ここで、鉄則の積=定数の形にします。
(x-1)(y-1) = xy-x-y+1
なので、
(x-1)(y-1)-2 = 0
(x-1)(y-1) = 2
x≦yなので、
x-1≦y-1
x-1 = 1 ⇒ x = 2 ⇒ tan(B) = 2
y-1 = 2 ⇒ y = 3 ⇒ tan(C) = 3
よって、
tan(A) = 1
tan(B) = 2
tan(C) = 3
となった。
tan(A)、tan(B)、tan(C)の大小関係をもとに戻す。
答え
(tan(A), tan(B), tan(C)) = (1, 2, 3), (1, 3, 2), (2, 1, 3), (2, 3, 1), (3, 1, 2), (3, 2, 1)
余談だが、
A≦B≦Cだとして、
tan(A) = 1 ⇒ A = 45˚
は求まるがが、他の角は何度なのだろうか。
tan(B) = 2
tan(C) = 3
より、
B = arctan(2)
C = arctan(3)
となり、電卓やプログラミングなどで求めることが出来るだろう。
電卓やプログラミングの設計思想によるが、一般的には戻り値はラジアンであることが多いので、度数法で求めるには、180˚/πを掛ける必要がある。
B = 180arctan(2)/π
C = 180arctan(3)/π
B ≒ 63.43494882292201064842780627954670532879578570035477…˚
C ≒ 71.56505117707798935157219372045329467120421429964522…˚
B+C = 135˚なので、小数点以下の各桁の和が9になっている。
B+C = 134.99999999999999999999999999999999999999999999999999…˚
と無限に9が続くこととなる。
ではでは