午後のひとときに、どう見ても数学の図形問題を算数の範囲で解いてみる。
問題
⊿ABCがあり、BCの中点をM、AC = 9.5cm、∠AMC = 135˚、⊿ABMの面積 = 7.5cm2
のとき、AB = x を、算数の範囲で求めよ。
シンキングタ~イム
算数の範囲で解くことが出来るの?
というくらいややこしい図形問題ですが、
解けますので、ご安心ください。
その前に、高校数学、中学数学でそれぞれ解いてみます。
【高校数学】
BM = MC = y
AM = z
とおいて、
余弦定理より、
x2 = y2+z2-2yz・cos(45˚) = y2+z2-yz・√3 …(1)
9.52 = y2+z2-2yz・cos(135˚) = y2+z2+yz・√3 …(2)
(1)-(2)より
x2-9.52 = -2yz・√3 …(3)
二辺狭角の面積の公式より、
yz・sin(45˚)/2 = 7.5
yz・√3/4 = 7.5
yz = 30/√3 …(4)
(4)を(3)に代入し、
x2-9.52 = -60
x2 = -60+9.52 = -60+90.25 = 30.25
x = ±5.5
x > 0より、
x = 5.5
このように、補助線を一切引かずとも、求めることが出来ます。
【中学数学】
中学数学では、三角関数は習いませんので、補助線を引きます。
AからBCへ垂線の足をおろした点をHとする。
BM = MB = y
AH = h
とおいて、
⊿ABMの面積より、
yh/2 = 7.5
y = 15/h …(1)
⊿ABHと⊿AHBの三平方の定理より、
x2 = h2+(y-h)2 …(2)
9.52 = h2+(y+h)2 …(3)
(1)を(2)と(3)に代入すると、
x2 = h2+(15/h-h)2 = h2+(15/h)2-30+h2 …(4)
9.52 = h2+(15/h+h)2 = h2+(15/h)2+30+h2 …(5)
(4)-(5)より、
x2-9.52 = -60
x2 = -60+9.52 = -60+90.25 = 30.25
x = ±5.5
x > 0より、
x = 5.5
たった1本の補助線ですが、それを引いたことで、中学数学の範囲でも解くことが出来ました。
【算数】
算数においては、中学数学で引いた補助線から、話しを進めます。
⊿AHCは直角三角形で、
このように配置することが出来、
1辺が9.5cmの正方形を作ることが出来ます。
AM' = CM
CM = BM
より、
AM' = BM
∠AHM = 90˚、∠AMH = 180˚-135 = 45˚
より、
⊿HAMは直角二等辺三角形となり、
HA = HM
これより、
AB = MM' = x
となります。
同様に、xとなるところを直線で結ぶと、1辺がxcmの青い正方形となる。
BM = MCより、
⊿ABMの面積 = ⊿AMCの面積 = ⊿MM'Aの面積 = ⊿A'M'Aの面積 = 7.5cm2
よって、
青い正方形の面積は、
9.5×9.5-8×7.5 = 30.25cm2
30.25 = 121/4
121 = 11×11
4 = 2×2
より、
x = 11/2 = 5.5cm
答え 5.5cm
みごとに算数の範囲で解けましたね。
算数では三平方の定理を使えませんが、直角三角形を4つ組み合わせて、斜辺からなる外側の正方形から、4個分の直角三角形の面積を差し引いて、内側の正方形の面積を出し、その面積から内側の正方形の1辺の長さを求める。
ということをしばしば行いますので、覚えておいて損はないでしょう。
ではでは