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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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2つの直角三角形の角の和

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午後のひとときに、図形問題を作ってみたので出題してみる。



問題
図のような、底辺3、高さ7の直角三角形と、底辺2、高さ5の直角三角形がある。
それぞれの仰角をα、βとするとき、以下の問に答えよ。

※仰角とは、仰ぐ角と書く通り、直角三角形の底辺の直角ではない点からの仰ぐ角ということです。

問1
三角関数を使って求めよ。

問2
三平方の定理を使って求めよ。

問3
三角関数や三平方の定理を使わず求めよ。


シンキングタ~イム


解法1

tan(α) = 7/3
tan(β) = 5/2
より、
加法定理を使い、
tan(α+β) = (tan(α)+tan(β))/(1-tan(α)tan(β))
= (7/3+5/2)/(1-(7/3)・(5/2))
= ((14+15)/6)/((6-35)/6)
= (29/6)/(-29/6)
= -1
0<α<90˚
0<β<90˚
より、
0<α+β<180˚
となり、
α+β = 135˚


解法2

三平方の定理より、
それぞれの斜辺の長さは、
72+32 = 49+9 = 58
52+22 = 25+4 = 29
と求まる。
斜辺の長さの比が、
ピンク:ブルー = 5829 = 2:1
より、



上図のように、αとβをくっつけた図を考え、ブルーの三角形で蓋をすると、
空白部分に
1:1:2
の直角二等辺三角形が現れ、
直角二等辺三角形の底角は45˚より、
α+β = 180˚-45˚ = 135˚


解法3

7と3の三角形から、辺の和と差は、
7+3 = 10
7-3 = 4
と求まり、比にすると
和:差 = 10:4 = 5:2
のようになります。
方や、5と2の三角形から、辺の和と差は、
5+2 = 7
5-2 = 3
と求まり、比にすると、
和:差 = 7:3
これらから、互いの図形の辺の関係性が見えてきます。

これらの関係性より、



または、



といった図形を描くことが、小学生でも可能となる。
どちらを導いたにしろ、
内側に出来た空白部分の三角形は直角二等辺三角形より、底角は45˚。
よって、
α+β= 180˚-45˚ = 135˚


解けてしまえば、単純な論理なので、辺の長さを変えた同様の類題をいろいろと作ることが出来ることだろう。

問1は高校生レベルの数学
問2は中学生レベルの数学
問3は小学4年生から5年生レベルの算数
と、まったく同じ問題を、各段階の異なるアプローチで解いてみました。

いきなり、問3を解けと言われると、中高で培った数学の知識が完全に封じ込められて、逆に大人が解けなかったりする可能性もありますね。

算数や数学は奥が深いです。


ではでは

 


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