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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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x²-10612x+27721987=0を手計算での解法をよろしく

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午後のひとときに、二次方程式を手計算で解いてみる。


問題
x2-10612x+27721987 = 0
を解け。


シンキングタ~イム


二次方程式だから、解の公式に代入すれば一発じゃんとか、
そんなに簡単な話しではない。

それにしても手計算で求めるにしても、bとcが大きすぎる。

さて、どこから手を付けましょうか。

足して10612、掛けて27721987
27721987を素因数分解するには、難しそうだ。

解法1
10612 = 10000+612
10000×612 = 612000
と7桁にしかならない。

つまり、4桁同士の掛け算、更に言えば共に奇数ということが解る。
それぞれの4桁の値を、
1000a+100b+10c+d
1000e+100f+10g+h
とし、a~eは1桁の正の整数とする。

法を10とすると、
dh = 7
d+h = 2
となる組み合わせは、
(d, h) = (3, 9), (9, 3)
の2通りに絞られる。

法を100とすると、
(10c+3)(10g+9) = 100cg+90c+30g+27 ≡ 90c+30g+27 ≡ 87 (mod 100)
≡ 90c+30g ≡ 60 (mod 100)
(10c+3)+(10g+9) = 10c+10g+12 ≡ 12 (mod 100)
≡ 10c+10g ≡ 0 (mod 100)
となる組み合わせは、
(c, g) = (1, 9), (6, 4)
の2通りに絞られ、
(10c+d, 10g+h) = (13, 99), (63, 49)
となる。

法を1000とすると、
(100b+13)(100f+99) ≡ 900b+300f+287 ≡ 987 (mod 100)
900b+300f ≡ 700 (mod 100)
(100b+13)+(100f+99) = 100b+100f+112 ≡ 612 (mod 1000)
100b+100f ≡ 500 (mod 100)
(b, f) = (2, 3), (7, 8)
(100b+63)(100f+49) ≡ 900b+300f+87 ≡ 987 (mod 100)
≡ 900b+300f ≡ 900 (mod 100)
(100b+63)+(100f+49) = 100b+100f+112 ≡ 612 (mod 1000)
≡ 100b+100f ≡ 500 (mod 100)
(b, f) = (4, 1), (9, 6)
合わせて、
(b, f) = (2, 3), (4, 1), (7, 8), (9, 6)
となり、
(100b+10c+d, 100f+10g+h) = 
(213, 399), (413, 199), (713, 899), (913, 699), (263, 349), (463, 149), (763, 849), (963, 649)
の8通りに絞られる。

a、eは
4999×4999 = 24990001 < 27721987
より、共に4はなく、
4000×7000 = 28000000 > 27721987
5000×6000 = 30000000 > 27721987
より、
(a, e) = (4, 5), (4, 6), (5, 5), (6, 4), (5, 4)
の5通りに絞られる。

8×5 = 40通りを試すと、
x = 4649, 5963


解法2
素因数分解での解法を考えてみる。

27721987は末尾の7が2の倍数でないので、2の倍数ではない。
ということで、素因数は奇素数のみである。
1桁の奇素数は、3、5、7。
3の倍数の可能性は、
2+7+7+2+1+9+8+7 = 43
4+3 = 7
で消える。
5の倍数の可能性は末尾が7なのでない。
7の倍数の可能性は、
27-721+987 = 293
29-3×2 = 23
で7の倍数ではない。
293は11の倍数ではないし、13の倍数ではないので、11や13も消える。

2桁以上の奇素数の末尾は、1、3、7、9の4種類。
これらの掛け算で末尾が7となる組み合わせは、
2つなら、
1×7 ≡ 7 (mod 10)
3×9 ≡ 7 (mod 10)
7×1 ≡ 7 (mod 10)
9×3 ≡ 7 (mod 10)
ということで、2桁の素数はほとんどすべてを試す必要が出てくる。
11, 13は7の倍数判定でついでに試したので、
17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97
の20個を試す。

小さい方から試したとすると、
最初に見つかるのは、67。
27721987/67 = 413761
末尾が1となる組み合わせは、
2つなら、
1×1
3×7
7×3
9×9
ということで、まだまだやる必要があります。

次に見つかるのは、89
413761/89 = 4649

もう、89でも97でも割り切れないので、残りは3桁以上かということになるが、
4649と3桁の最小値である100を47倍すると、4700となり超え、2桁の素数での判定は済んで居るので、3桁の素因数は存在しない。

ということで、素因数分解は、
27721987 = 67・89・4649
と確定します。

この素因数で足して10612は、
10612-4649 = 5963 = 67・89
より、明らか。

x = 4649, 5963


解法3
x2-10612x+27721987 = 0
を平方完成すると、
(x-5306)2-28153636+27721987 = 0
(x-5306)2-431649 = 0

53062を手計算するのは面倒だが、小さくなるであろうことは見込める。
あとは、431649が平方数ならば、容易に因数分解が出来る。
というか、平方数でなければ、整数での因数分解は出来ない。

431649を素因数分解する。

3の2乗である9の倍数の可能性は、
4+3+1+6+4+9 = 27≡ 0 (mod 9)
431649/9 = 47961
これの9の倍数の可能性は、
4+7+9+6+1 = 27 ≡ 0 (mod 9)
47961/9 = 5329
これの9の倍数の可能性は、
5+3+2+9 = 19
と9の倍数の可能性はここまで。

5329の平方根を考える。
5329と4桁なので、
92 = 81 < 5329 
1002 = 10000 > 5329
より、2桁の2乗である必要がある。
10y+z
y, zは1桁の正の整数とする。

末尾が9なので、2乗してmod 10が9になるのは、
z = 3, 7
(10y+3)2 = 100y2+60y+9 ≡ 9 (mod 10)
(10y+7)2 = 100y2+140y+49 ≡ 9 (mod 10)

2乗して末尾が29となるのは、
100y2+60y+9 ≡ 29 (mod 100)
60y ≡ 20 (mod 100)
y = 2, 7
100y2+140y+49 ≡ 29 (mod 100)
40y+49 ≡ 29 (mod 100)
40y ≡ 80  (mod 100)
y = 2, 7
どちらをやったとしても、変わらず。
232 = 529
732 = 5329

よって、
431649 = (9×73)2 = 6572
(x-5306)2-6572 = 0
(x-4649)(x-5963) = 0

x = 4649, 5963


皆さんは手計算で解けましたか?

3つの解法を示しましたが、平方完成が一番簡単でしたね。

ごくろうさん。

4649(よろしく)、5963(ごくろうさん)、ということでした。


ではでは

 

 


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