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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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連立方程式を解く

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午後のひとときに、連立方程式を解いてみる。

問題
x-y+z = 1
xy+yz+zx = 8
x3-y3+z3 = 1
を満たす実数(x, y, z)をすべて求めよ。


シンキングタ~イム


変数が3つもある。
どれかを消したいですね。
どれを消しましょうか?

一般的に、対称式であれば、それぞれの変数に優劣がないので、仮に変数の大小関係を設定しても一般性は失われないとして、不等式を用いて解いていくのですが、対称式でないのであれば、仲間外れを消すように解いていくことになります。

今回の問題で対称式は2番目だけで、他は対称式ではありません。
仲間外れを左辺にして、式を変形する。
今回の仲間外れは符号の違うyですので、yが左辺に来るように3式を変形します。

y = x+z-1
y(x+z) = 8-xz
y3 =  x3+z3-1 = (x+z)3-3xz(x+z)-1

すると、x+z、xzという項がいくつか出てきましたので、
x+z = α
xz = β
とおくと、

y = α-1 …(1)
αy = 8-β …(2)
y3 = α3-3αβ-1 …(3)

(1)を(2)に代入すると、
α(α-1) = 8-β
β = -α2+α+8 …(4)

(1)を(3)に代入すると、
(α-1)3 = α3-3αβ-1 …(5)

(4)を(5)に代入すると、
(α-1)3 = α3-3α(-α2+α+8)-1
α3-3α2+3α-1 = α3+3α3-3α2-24α-1
3-27α = 0
α(α-3)(α+3) = 0
α=0, -3, 3

ここで、
解と係数の関係
t2-αt+β = 0
の2解が、xとzであることを利用します。
また実数解を問うているので、
判別式
D = α2-4β ≥ 0
を満たす必要があります。

これらを踏まえて、
求まったαで場合分けして、

α = 0のとき、
(4)に代入して、
β = 8
D = 0-32 = -32 < 0より、不適

α = -3のとき、
β = -4
D = 9+16 = 25 ≥ 0
(1)にα = -3を代入し、
y = -4
t2+3t-4 = 0
(t+4)(t-1) = 0
t = 1, -4
(x, y, z) = (1, -4, -4), (-4, -4, 1)

α = 3のとき、
β = 2
D = 9-8 = 1 ≥ 0
y = 2
t2-3t+2 = 0
(t-1)(t-2) = 0
t = 1, 2
(x, y, z) = (1, 2, 2), (2, 2, 1)

よって、
(x, y, z) = (1, -4, -4), (-4, -4, 1), (1, 2, 2), (2, 2, 1)


もし、y以外を左辺に置いたとすると、どうなっていたでしょうか。

xを左辺に置いてみましょう。

x = 1+y-z
x(y+z) = 8-yz
x3 = y3-z3+1 = (y-z)3+3yz(y-z)+1

y-zとy+zが出来てしまってうまく行きませんね。


ではでは

 

 


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