午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。
問題
a2+b+3=(b2-c2)2
自然数(a,b,c)の組をすべて求めよ。
シンキングタ~イム
昨日に続き、整数問題です。
整数問題のアプローチの仕方は昨日も書いたとおり、
1) 積の形にする。
2) 範囲を絞る。
3) 余りで分類する。
1) 積の形にする。
a2+b+3=(b2-c2)2
b+3=(b2-c2)2-a2
b+3=(b2-c2+a)(b2-c2+a)
を思いつくだろうが、左辺のbが邪魔なので、bの値が絞り込めれば利用出来ますが、それまでは使いづらいです。
2) 範囲を絞る。
a2+b+3=(b2-c2)2
a、b、cに対称性などがないので、不等式を作るのに難儀しそうです。
3) 余りで分類する。
2乗が多いので、剰余を取るにしても、変数が多いのでこれも難儀しそうです。
こういった整数問題の定石的なアプローチが通用しないような問題も存在するという例ですね。
さて、どうしましょうか。
bさえ絞れれば、積の形で解けそうではある。
b+3=(b2-c2)2-a2
の左辺に着目すると、左辺は正ですので、当然右辺も正なので、
(b2-c2)2 -a2>0 …(1)
という不等式が出来ます。
ここで、b2-c2に着目すると、bとcの大小関係は、まだ示せていないので、
|b2-c2|2-a2>0
と絶対値を使って表してみる。
|b2-c2|2>a2
0<a≦|b2-c2|-1
とaの範囲が絞り込めました。
b+3=|b2-c2|2-a2≧|b2-c2|2-(|b2-c2|-1)2
b+3≧2|b2-c2|-1 …(2)
のようにaを消すことが出来ました。
今度はcを消したい。
ここで、b=cと仮定すると、
(1)より、
-a2>0
となり矛盾するので、
b≠cとなる。
異なる平方数の差の最小値をbを使って表すことを考えると、
…
|(b+2)2-b2|=|b2+4b+4-b2|=|4b+4|
|(b+1)2-b2|=|b2+2b+1-b2|=|2b+1|
|(b-1)2-b2|=|b2-2b+1-b2|=|-2b+1|
|(b-2)2-b2|=|b2-4b+4-b2|=|-4b+4|
…
bは自然数なので最小値は|-2b+1|
よって、
b+3≧|2b-1|>0
(b+3)2≧(2b-1)2
b2+6b+9≧4b2-4b+1
8≧3b2-10b
8≧b(3b-10)
0<b≦4
とbが絞り込めました。
(2)式を使いbについて場合分けをすると、
b=1のとき、不適
b=2のとき、c=1
b=3のとき、不適
b=4のとき、不適
よって、b=2、c=1と確定します。
b+3=(b2-c2+a)(b2-c2+a)
に代入して、
5=(3+a)(3-a)
a=2
答え
(a,b,c)=(2,2,1)
ではでは