午後のひとときに、平方根を連分数にしてみよう。
小学校の算数の話しから始めましょうか。
小学校に入ると、まずは自然数の足し算を習います。
続いて、自然数の引き算を習います。
すると、負という概念が現れます。
自然数にゼロと負の自然数合わせたものが整数です。
自然数の掛け算を習います。
自然数の割り算を習います。
すると、小数という概念が現れます。
小数には、
有限桁で止まる有限小数と、無限に桁が出来てしまう無限小数に分けることが出来ます。
無限小数には、
分母分子が共に整数で表せる有理数と、表せない無理数に分けることが出来ます。
つまり、有理数と無理数という概念が現れます。
無理数は分母分子が共に整数で表せないのですが、無限に分数を連ねることで表すことが出来るものがあります。
それでは√2を連分数にしてみましょう。
1<√2<2
ですね。
そこで、
√2=1+(√2-1)
のように、自然数の1と小数部分の(√2-1)と考ええます。
そこで右辺の括弧を分数にするのだけれど、分子が1、つまり単位分数になるようにしたい。
√2=1+ | 1 √2+1 |
分母を整数と小数に分離し、
√2=1+ | 1 2+(√2-1) |
同様に括弧を単位分数にしていきます。
√2-1= | (√2-1)(√2+1) √2+1 | = | 2-1 √2+1 | = | 1 1+√2 |
分数が連なっていくので、連分数と言います。
連分数は、循環するものもあり、自然数の平方根は循環します。
これは、循環小数の分数版ともいうべき性質ですね。
連分数表記は面倒なので、最初の整数と、分母の整数部分だけに着目して、
√2=[1; {2}]
のように表記することとします。
循環小数において、循環部分を数字の上に点を打つことで、示したりしますが、テキストでは表示するのが面倒なので、
1/3=0.{3}
のように、循環節を{}で括って表記することとします。
連分数においても、同様に循環節の数字の上に点やオーバーバーで示したりしますが、テキストで表示するのは面倒なので、循環小数同様に循環節を{}で括っています。
整数と小数を分離するために、セミコロンとカンマを使い分ける表記ですが、セミコロンではなくカンマを使う方もいるようです。
本来ならば世界的に統一したほうが良いかとは思います。
さて、平方数ではない平方根を連分数表記にしてみると、
√3=[1; {1, 2}]
√5=[2; {4}]
√6=[2; {2, 4}]
√7=[2; {1, 1, 1, 4}]
√8=[2; {1, 4}]
√10=[3; {6}]
√11=[3; {3, 6}]
√12=[3; {2, 6}]
√13=[3; {1, 1, 1, 1, 6}]
√14=[3; {1, 2, 1, 6}]
√15=[3; {1, 6}]
√17=[4; {8}]
√18=[4; {4, 8}]
√19=[4; {2, 1, 3, 1, 2, 8}]
√20=[4; {2, 8}]
√21=[4; {1, 1, 2, 1, 1, 8}]
√22=[4; {1, 2, 4, 2, 1, 8}]
√23=[4; {1, 3, 1, 8}]
√24=[4; {1, 8}]
√26=[5; {10}]
√27=[5; {5, 10}]
√28=[5; {3, 2, 3, 10}]
√29=[5; {2, 1, 1, 2, 10}]
√30=[5; {2, 10}]
…
平方数ではない平方根ですから、無理数になって、小数表記では無限小数になってしまうが、連分数表記では循環する部分が現れ、有限桁で表すことが可能となる。
というお話しです。
単位分数で展開していく連分数を正則連分数と言います。
正則ではない場合は、そういった記述があるかと思われますので、記述がない場合は正則連分数ということです。
ちなみに、
ネイピア数eの連分数表記は、
e=[2; 1, 2, 1, 1, 4, 1, 1, 6, 1, 1, 8, 1, 1, 10, 1, …, 1, 2n, 1, …]
のように表すことも出来ます。
円周率πの連分数表記は、
π=[3; 7, 15 ,1 ,29 1, 1, 1, 1, 2, 1, 3, …]
のように表すことも出来ます。
どちらも無理数であり、超越数でもありますが、円周率πの正則連分数展開には規則性が微塵も感じられませんが、ネイピア数eはちょっとした規則性が見いだせたりもします。
円周率πも正則でないものであれば、指数や階乗を使った規則性のあるものがあります。
このブログでも何度か登場していますので、このブログ内を検索してみてください。
ではでは
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