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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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正方形に内接する直角三角形 -解答編-

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午後のひとときに、数学の図形問題を解いていくよ。



1辺をaとする正方形があり、
それに内接する直角三角形の直角を挟む辺の長さがそれぞれ5、10でした。
以下の問に答えよ。

問題1
x、y、z、aが正の実数のとき、
最大のaの長さを求めよ。

問題2
x、y、z、aが正の整数のとき、
x、y、z、aの長さを求めよ。
解が複数組あるならば、すべてを求めよ。
解が無ければ、それを証明せよ。


シンキングタ~イム


問題1の解答
これは簡単ですよね。
102+52=100+25=125=55

答え 55


問題2の解答
これが導出問題があっても、かなり厄介だと思われます。

まず、ピタゴラスの定理を使って、いくつかの等式が表せますね。
x2+y2=52=25 …(1)
(a-y)2+z2=102=100 …(2)
(x-z)2+a2=(55)2=125 …(3)

さて、変数が4つで式が3つ。
これでは、すべての変数は求まりません。
まだ、式が足りないということですね。
直角三角形と接する場所に、2つの直角三角形ができ、これらは相似なので、
z:y=(a-y):x=10:5=2:1
という比で表せる。
外項の積と内項の積より、
2y=z …(4)
2x=a-y …(5)

5式出来ましたが、これで十分かと言うと、実は足りてないのです。
問題にあるように、x、y、z、aが正の整数であることから、問題は解けます。

これは、ピタゴラス数の問題だったのです。

直角三角形の直角を挟む辺が5と10と書いているとおり、
5を斜辺とする直角三角形の残りの辺は3と4、
10を斜辺とする直角三角形の残りの辺は6と8。
これ以外は存在しません。

x=3のとき、y=4、z=8
a-y=6 ⇒ a=10

x=4のとき、y=3、z=6
a-y=8 ⇒ a=11

答え (x, y, z, a)={ (3, 4, 8, 10), (4, 3, 6, 11) }


最近、ちょっと多めに図形問題を扱っているけど、補助線を沢山引いて、幾何的、代数的、はたまた解析的に解いてきた。

いろいろと傾向と対策をしてきてはいたが、それが仇になった感さえある。
いろいろと立式したが、ほとんどが無駄になってしまった。

この図形問題のオリジナルでは、整数解とか一切の記述がなかったので、自分は実数で解を求めようとしていました。

問題2の別解
(4)式や(5)式を(1)、(2)、(3)式に代入して、x、y、zの2次方程式と考えて、解の公式に係数を代入する。
ある程度綺麗にまとめると、aの範囲で、x、y、zを記述する形になった。

8.94427<45<a≦10のとき、
x=(2a-125-a2)/5
y=(a+2125-a2)/5
z=(2a+4125-a2)/5

10<a≦55<11.18034のとき、
x=(2a125-a2)/5
y=(a±2125-a2)/5
z=(2a±4125-a2)/5
複号同順

それぞれのレンジにおける整数aを確認すれば良い。

さて、もう一つだけ、この問題にちょっとした違和感を覚えるのが、
上辺のa-zと、下辺のa-xの大きさで、図ではa-z>a-xで描かれていること。
このような大小関係になる実数解は存在しますが、整数解は存在しません。
ある意味、ちょっと意地悪な感じもします。
そのためか、いつもならある「図のように」の文言が、問題文にありません。

皆さんは、解けましたでしょうか。


ではでは


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