最近、コロナウイルスの影響でか、クラスターという言葉が飛び交っている。
クラスター(cluster)とは、
房
集団
群れ
と訳される。
banana cluster
grapefruit cluster
というように、
バナナの房
グレープフルーツの房
群れというと、以前書いた記事
つまり、日本語では群れで片付けられてしまうものでも、英語では何の群れかによって変わってしまう。
私がクラスターという単語を初めて使ったのは、おそらく1994年です。
私はコンピュータの業界にいましたので、クラスターと言えば、コンピュータのクラスターでした。
コンピュータにおいて、サービスを提供するハードウェアをサーバーと呼びます。
このサービスが常時提供出来るようにと考え出されたのが、クラスターという考え方。
複数のサーバーが複数のサービスを分散して提供することで、特定のサーバーに障害が起きても、他のサーバーが補って、サービスを提供し続ける仕組み。
これをクラスターと呼びます。
当時私は外資系N社に出向しておりまして、N社のサーバーOSでは最大12台でのサーバーでクラスター化(クラスタリング)が出来ました。
方や、Microsoft社のサーバーOSであるNT4.0EEでは2台でのクラスターでした。
当時はクラスターが本来どんな意味なのかは知らずに使っていました。
次にクラスターという言葉使われだしたのは、シャープの空気清浄機のプラズマクラスターでしょうか。
そして、現在のコロナウイルスによるクラスターでしょうか。
人それぞれ、クラスターというカタカナを知った時期も、内容も異なっていることでしょう。
英語が堪能であれば、もっと早くから知っているんでしょうけどね。
さて、何でもかんでもカタカナにしてしまうということも、どうかとは思うんですが、何でもかんでも漢字にしてしまうのも、どうかとは思う。
河野太郎防衛大臣が、専門用語でカタカナを使うことに意義を申しております。
言わんとすることは解るし、漢字は表意文字なので、それぞれの漢字の字面を見ると意味が解る(場合がある)。
どうしても専門用語は英語圏発祥のものが多いため、明治時代の日本や、漢字圏でないかぎり、わざわざ漢字を当てはめたりしない。
昨今は、カタカナ英語、カタカナ外来語として使うことが多くなってしまったというか、ほとんどがそうでしょう。
例えば、適用業務と呼ぶのと、アプリケーションと呼ぶのと、アプリと呼ぶのでは、それぞれ意味が異なって聞こえてしまいます。
実は、アプリケーションという単語は今でこそ大抵の人が理解してくれているかと思うが、当時は適用業務という熟語を割り当てて使っている文献もありました。
しかし、現在において適用業務という熟語でアプリケーションやアプリを想像出来る人は居ませんし、逆にアプリケーションやアプリに対する漢字熟語を作るのも難しいでしょう。
専門用語とはそういうものです。
言葉は生き物です。
使われる時代、地域、業界によって、使われ方、意味合いが変わってしまう。
例えば、イギリスで日本のカレーが流行っているようですが、日本のカレーをイギリス人は何て呼んでいるか知っていますか?
「カツカレー」です。
具が入っていないカレーソース、カレーペーストにも日本風のカレーという意味で「katsu curry」の文字があるようです。
不思議な現象ですね。
ではでは