ある疾患に罹患している検査前確率が0.1%と推測される患者に、感度90%、特異度80%の検査を行う。
検査結果が陽性だった場合の検査後確率を求めよ。
というような医師国家試験問題があるようです。
疾患 | ||||
有 | 無 | 合計 | ||
検査 結果 | 陽性 | 9 | 1998 | 2007 |
陰性 | 1 | 7992 | 7993 | |
合計 | 10 | 9990 | 10000 |
このような表が用意されており、空欄(赤文字で埋めているが)を埋めていき、検査後確率を求める。
感度とは、
実際に疾患を持っている人が検査をして、陽性となる確率
特異度とは、
実際に疾患を持っていない人が検査をして、陰性となる確率
計算
有の合計欄:10000×0.1=10
無の合計欄:10000-10=9990
有の陽性欄:10×90%=9
有の陰性欄:10-9=1
無の陰性欄:9990×80%=7992
無の陽性欄:9990-7992=1998
合計の陽性欄:9+1998=2007
合計の陰性欄:1+7992=7993
のように埋まり、
9÷2007×100≒0.44843
答え 約0.45%
つまり、疾患があるのにも関わらず正しく陽性だと診断されるのは0.45%と極めて低いことが解ります。
感度90%、特異度80%は、かなり良い確率の検査だと言われています。
感度100%、特異度100%であれば、どんどん検査するのが良いでしょうね。
それでも、わずか0.45%ですよ。
この状態で全員検査をしたとして、さらに混乱を引き起こすようなものです。
なので、
症状が軽い、つまり血中にコロナウイルスの数が少ない状態なら、採取した血液の中にコロナウイルスが存在する確率は低く、培養したとしても陽性反応が出にくい。
ある程度症状が出て、血中のコロナウイルスの数がある程度ある状態ならば、採取した血液の中にコロナウイルスが存在する確率は高まり、培養して増殖して、陽性反応が出やすくなる。
ということなのでしょう。
※あくまでも、私個人の見解です。
これは、数学でいうところの統計学の条件付き確率とかベイズの定理と言われるものです。
お医者さんになるには、数学の知識が必要、特に今回の新型ウイルスなどには統計学の知識が必要ということなのでしょう。
数学科を出ている私も、確率統計の統計は試験に出ないという理由で、高校3年生のときに一切触れていませんし、大学でも確率論や統計学といったものを受講していません。
それでも、一応は数学をかじっている人間からすると、この計算に論理的矛盾や論理の飛躍が無いということくらいは解ります。
ただ、人間の心理として、検査を受けて白黒はっきりさせたいというのはあるかとは思います。
この辺りのせめぎ合いなのでしょうね。
実際問題、検査キットを作っている人たちは出来るだけ感度100%、特異度100%を目指してはいるかとは思うが、そんなものは目標であっても幻想にすぎないということは解っているかとは思います。
検査時間が長く取れるのであれば、確率は上がっていくことでしょう。
しかし検査が素早く終わることを望む声も大きいでしょう。
医者でもないのに、こんなことを書いてよかったのだろうか。
もし、間違っているとか、偉そうに語るなとか、異論、反論、あるかとは思います。
私を支持するも、しないも、自由です。
ではでは