午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。
問題
x2-y2=602を満たす整数x,yの組は全部でいくつ?
シンキングターイム
x2-y2=602
(x+y)(x-y)=602
ここで、
x+yが奇数なら、x-yも奇数、
x+yが偶数なら、x-yも偶数、
であるが、602は偶数のため、
奇数×奇数=奇数
偶数×偶数=偶数
であるから、後者のみを考えればよい。
そこで、
x+y=2p
x-y=2q
とおくと、
4pq=602
pq=302
つまり、302の約数を考えることになります。
30を素因数分解すると、
30=2・3・5
302の素因数分解は、
302=22・32・52
約数の個数は、右辺のそれぞれの指数に1を加えたものの積ですので、
(2+1)(2+1)(2+1)=27
これはp、qが共に正の場合しか考えていないので、
p、qが共に負の場合も同様の個数存在し、
27×2=54
答え 54組
おそらく、これが模範解答であろう。
ここからは、ピタゴラス数の研究をしていた自分が、ピタゴラス数の性質を使って導くという、とても馬鹿らしい解法です。
x2-y2=602
y2を移項して、
x2=602+y2
このようなピタゴラス数はいくつあるのか?
という問題と同義である。
ピタゴラス数は、
m>n>0
a=m2-n2
b=2mn
c=m2+n2
という一般式で表すことが出来る。
更に、既約ピタゴラス数においては、
gcd(m,n)=1 ⇔ m,nは互いに素
m-n≡1 (mod 2) ⇔ m,nの偶奇が異なる
という条件を付加する。
このm,nに基づいて、
aが60の約数になるケース
bが60の約数になるケース
を数える。
aが60の約数になるケース
m | n | gcd(m,n) | mod(m-n,2) | a=m2-n2 | b=2mn | c=m2+n2 | times | x=c | y=b |
2 | 1 | 1 | 1 | 3 | 4 | 5 | 20 | 100 | 80 |
3 | 2 | 1 | 1 | 5 | 12 | 13 | 12 | 156 | 144 |
4 | 1 | 1 | 1 | 15 | 8 | 17 | 4 | 68 | 32 |
8 | 7 | 1 | 1 | 15 | 112 | 113 | 4 | 452 | 448 |
bが60の約数になるケース
m | n | gcd(m,n) | mod(m-n,2) | a=m2-n2 | b=2mn | c=m2+n2 | times | x=c | y=a |
2 | 1 | 1 | 1 | 3 | 4 | 5 | 15 | 75 | 45 |
3 | 2 | 1 | 1 | 5 | 12 | 13 | 5 | 65 | 25 |
5 | 2 | 1 | 1 | 21 | 20 | 29 | 3 | 87 | 63 |
6 | 1 | 1 | 1 | 35 | 12 | 37 | 5 | 185 | 175 |
6 | 5 | 1 | 1 | 11 | 60 | 61 | 1 | 61 | 11 |
10 | 1 | 1 | 1 | 99 | 20 | 101 | 3 | 303 | 297 |
10 | 3 | 1 | 1 | 91 | 60 | 109 | 1 | 109 | 91 |
15 | 2 | 1 | 1 | 221 | 60 | 229 | 1 | 229 | 221 |
30 | 1 | 1 | 1 | 899 | 60 | 901 | 1 | 901 | 899 |
4+9=13
これは、x>0、y>0のみなので、
それぞれの正負を考えると、4倍して、
13×4=52
更に、y=0となるケースも考えられ、
(x, y)=(±60, 0)
で2個加えて、
52+2=54
答え 54組
こういうダメな解法もあるけど、思いついちゃったからしょうがない。
ではでは