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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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周長と面積が等しい整数辺三角形

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この問題を、ずっと考えていました。

エレガントでは無いけれど、証明出来たのでご紹介します。

証明を考えたい方はページを閉じてください。


シンキングタ~イム


すべての辺の長さが整数で、面積も整数の三角形は、ヘロン三角形と呼ばれています。
ということで、ヘロン三角形の一般式を持ち出します。

まずは3辺の長さは、
a:b:c=n(m2+k2):m(n2+k2):(m+n)(mn-k2)

続いて、面積Sは、
S=mnk(m+n)(mn-k2)

最後に、周長Pは、
P=a+b+c=2mn(m+n)

但し、m、n、kは自然数で、
gcd(m,n,k)=1
mn > k2 ≥ (m2n)/(2m+n)
m ≥ n ≥ 1
とする。

面積Sと周長Pが等しいので、
mnk(m+n)(mn-k2)=2mn(m+n)
m≠0、n≠0、m+n≠0より、
k(mn-k2)=2
mn-k2=2/k
k2=mn-2/k
この式をa:b:cの式に代入すると、
a:b:c=n(m2+mn-2/k):m(n2+mn-2/k):(m+n)(2/k)
aのnがkの倍数だとすると、bのmもkの倍数となり、gcd(m,n,k)=kとなり反する。
よって、kは2の約数、つまりk={2,1}に絞られる。
また、kの上限mに着目すると、
m ≥ n ≥ 1
より、
nを最小値の1として、
mn > k2 ≥ (m2n)/(2m+n)
より、
m > k2
m > k
となり、
8 ≥ m ≥ 2, m ≥ n ≥ 1, 2 ≥ k ≥ 1
の範囲だけを調べればよい。

(m, n, k) ⇔ (a, b, c, S, P)
(2, 1, 1) ⇔ (5, 4, 3, 6, 12) ⇒ (10, 8, 6, 24, 24)
(2, 1, 2) ⇔ k2 > mnで不適
(2, 2, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(2, 2, 2) ⇔ gcd(m,n,k)≠1で不適
(3, 1, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(3, 1, 2) ⇔ k2 > mnで不適
(3, 2, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(3, 2, 2) ⇔ (26, 24, 10, 120, 60) ⇒ (13, 12, 5, 30, 30)
(3, 3, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(3, 3, 2) ⇔ (39, 39, 30, 540, 108) ⇒ (13, 13, 10, 60, 36) ⇒ 面積と周長が異なり不適
(4, 1, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(4, 1, 2) ⇔ k2 > mnで不適
(4, 2, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(4, 2, 2) ⇔ gcd(m,n,k)≠1で不適
(4, 3, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(4, 3, 2) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適、k=2で下限を下回るので、m=4はこれ以降調査不要
(5, 1, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(5, 1, 2) ⇔ (29, 25, 6, 60, 60)
(5, 2, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(5, 2, 2) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適、k=2で下限を下回るので、m=5はこれ以降調査不要。
(6, 1, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(6, 1, 2) ⇔ (40, 30, 14, 168, 84) ⇒ (20, 15, 7, 42, 42)
(6, 2, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(6, 2, 2) ⇔ gcd(m,n,k)≠1で不適
(6, 3, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(6, 3, 2) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適、k=2で下限を下回るので、m=6はこれ以降調査不要。
(7, 1, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(7, 1, 2) ⇔ (53, 35, 24, 336, 112) ⇒ 面積と周長が異なり不適
(7, 2, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(7, 2, 2) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適、k=2で下限を下回るので、m=7はこれ以降調査不要。
(8, 1, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(8, 1, 2) ⇔ (68, 40, 36, 576, 144) ⇒ (17, 10, 9, 36, 36)
(8, 2, 1) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適
(8, 2, 2) ⇔ k2 < (m2n)/(2m+n)で不適、k=2で下限を下回るので、m=8はこれ以降調査不要。


(10, 8, 6), (13, 12, 5), (29, 25, 6), (20, 15, 7), (17, 10, 9)
の5種類のみである。


ではでは


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