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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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三角形の合同条件と面積

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久々に数学の話し。

三角形の合同条件

  • 三辺相等(サンペンソウトウ)
    三辺がそれぞれ等しい
  • 二辺夾角相等(ニヘンキョウカクソウトウ)
    二辺とその挟まれる角がそれぞれ等しい
  • 一辺両端角相等(イッペンリョウタンカクソウトウ)
    一辺とその両端の角がそれぞれ等しい
    または、
    二角夾辺相等(ニカクキョウヘンソウトウ)
    二角とその挟まれる辺がそれぞれ等しい

相等(ソウトウ)とは、漢字の通り、相等しい(あいひとしい)、つまりそれぞれ等しいということ。
教科書に、どの様に掲載されているのか、年代によって様々だろう。
頭の固い受験の場などでは、減点される可能性もあるので、教科書の通りにおぼえておくことなんだろうけど、数学の本質とはあんまり関係ないところではある。
この記事内では、面倒なので漢字だけのを使うこととする。

さて、今回は三角形の面積について、この三角形の合同条件それぞれで、なんらかの公式があるだろうし、それを導出する方法を考えて行こうと思う。

つまり、
相等→既知
と置き換えることになる。
といっても先の順番ではやりません。
簡単なところからスタートします。

【二辺夾角相等→二辺夾角既知】
S=ab・sin(C)/2
これが公式です。
底辺をa、高さをh、面積をSとすると、
S=ah/2
これが小学校で習う、面積=底辺×高さ÷2
では、三角関数を使って高さhを求めると、
h=b・sin(C)
故に、
S=ah/2=ab・sin(C)/2

簡単すぎました。

【三辺相等→三辺既知】
ヘロンの公式
S=(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b+c)/4
を導出する。
まずは、三角関数の基本的な公式、
sin2θ+cos2θ=1 より、
sinθ=1-cos2θ
余弦定理
c2=a2+b2-2ab・cos(C) より、
cos(C)=(a2+b2-c2)/(2ab)
これらを踏まえ、先の二辺夾角既知の式から、
S=ah/2=ab・sin(C)/2
=(ab/2)1-cos2C
=(ab/2)1-((a2+b2-c2)/(2ab))2
=(ab/2)((2ab)/(2ab))2-((a2+b2-c2)/(2ab))2
=(ab/2)(1/(2ab))(2ab)2-(a2+b2-c2)2
=(2ab)2-(a2+b2-c2)2/4
=(2ab+a2+b2-c2)(2ab-a2-b2+c2)/4
=((a2+2ab+b2)-c2)(c2-(a2-2ab+b2))/4
=((a+b)2-c2)(c2-(a-b)2)/4
=(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)/4

三角関数が一切消えましたね。

【二角夾辺相等→二角夾辺既知】
S=a2・sin(B)・sin(C)/(2・sin(B+C))
を導出する。
S=ah/2
分母分子にaを掛け、
=(a2・h)/(2・a)
=(a2/2)・(h/a)
=(a2/2)・(1/(a/h))
a=h・cot(B)+h・cot(C) より、
=(a2/2)・(1/(cot(B)+cot(C)))
=(a2/2)・(1/((cos(B)/sin(B))+(cos(C)/sin(C))))
=(a2/2)・(1/((cos(B)・sin(C)+cos(C)・sin(B))/(sin(B)・sin(C))))
=(a2/2)・(sin(B)・sin(C)/sin(B+C))
=a2・sin(B)・sin(C)/(2・sin(B+C))

こんな感じで、すべてが導出出来ました。
とは言っても、三角関数の基本的な公式を抑えて置く必要がありましたね。

公式として丸暗記も良いですが、導出も計算のテクニックを磨く上で、忘れた頃にやってみるのも良いかと思います。
結果をイメージ出来ているから、簡単に導出出来るとも言えますね。


ではでは


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