午後のひとときに、ちょっとした数学的な雑学を紹介します。
サムネ用画像
みなさん、A4サイズとか、B5サイズとか、日常的にノートとか、コピー用紙で使っていたりしますよね。
今どきの人ならば、なんとなくではあるが馴染みのある規格ですよね。
長辺を半分に折ると、A4はA5に、B5はB6に、…
ノートを広げれば、A4はA3に、B5はB4に、…
この関係性は結構知っているかとは思います。
新聞紙1枚がだいたいA1
たまに見かける半分のがだいたいA2
選挙のポスターがA3
一般的な大学ノートがA4
小さめの雑誌がA5
文庫本がA6
映画館のポスターがB1
一般的な壁掛けカレンダーがB2
電車の車内刷りがB3
一般的な400字詰め原稿用紙がB4
小学生が使う学習ノートがB5
イメージできましたね。
寸法はmm単位で決まっています。
A0 841×1189mm
A1 594×841mm
A2 420×594mm
A3 297×420mm
A4 210×297mm
A5 148×210mm
A6 105×148mm
A7 74×105mm
A8 52×74mm
A9 37×52mm
A10 26×37mm
B1 728×1030mm
B2 515×728mm
B3 364×515mm
B4 257×364mm
B5 182×257mm
B6 128×182mm
B7 91×128mm
B8 64×91mm
B9 45×64mm
B10 32×45mm
mm単位にしているため、多少の誤差はあります。
さて、数学的な目で見ると、どういう理屈なのか。
長辺を半分に折っても、短辺:長辺の比率が変化しないということ。
数値的にどんな比率かというと、
短辺:長辺=1:√2
これは白銀比と呼ばれています。
これはA判でもB判でも、比率ですから同じです。
そんなの知ってるよー
という人もいるでしょう。
ここからが、あまり知られていない話しになります。
A判とB判、それぞれの規格が生まれた国が違います。
A判の規格はドイツ、物理学者のオズワルドが提案したもので、世界規模の標準規格です。
方やB判の規格は日本、日本の美濃紙の規格で、日本国内でしか通用しない国内規格です。
それぞれはの短辺や長辺はどの様に決定されたかというと、面積から決まりました。
A0は面積が1平方メートルになるように、短辺と長辺が白銀比の比率で決定されます。
同様に、B0は面積が1.5平方メートルになるように、短辺と長辺が白銀比の比率で決定されます。
A0の短辺をaとすると、A0の長辺はa√2
A0の面積はa2√2=1m2=10002mm2=1000000mm2
辺の長さはmmで欲しいので、
a2√2=1000000
両辺を√2で割って
a2=1000000/√2
両辺に√をとって、
a=1000/∜2≒840.8964
A0の短辺が小数点以下第一位で四捨五入して841mm、
A0の長辺は√2倍して1189.2071で同様に四捨五入して1189mm、
A1の長辺はA0の短辺で841mm、
A1の短辺は√2で割って594.6035で同様に四捨五入して595mmとしたいが、実際は594mm
…
B0の短辺をbとして、…
b=√1500000/∜2≒1029.8835
B0の短辺が小数点以下第一位で四捨五入して1030mm、
B0の長辺は√2倍して1456.4753で同様に四捨五入して1456mm、
B1の長辺はB0の短辺で1030mm、
A1の短辺は√2で割って728.2376で同様に四捨五入して728mm、
…
これも知っているよー
という人もいるでしょう。
では、A判とB判との関係性はどうなっているのか。
これはあまり知られていません。
先の、面積が1平方メートルと、1.5平方メートルというのはありますが、なかなか面積ではピンと来ないことでしょう。
同じ比率の紙で面積を2倍とか半分ならまだしも、1.5倍しろと言われると、物理的にどうしたら良いのか、悩んでしまうでしょう。
そこで、新たな長さを持ち出します。
対角線を引いた長さ、ここでは斜辺と呼ぶことにします。
用紙は長方形なので、角はすべて90度です。
ピタゴラスの定理(三平方の定理)を使えば、容易に斜辺が求まります。
短辺2+長辺2=斜辺2
これを比で表すと、
短辺:長辺:斜辺(対角線)=1:√2:√3
それがどうした?
と思われるかもしれません。
これが意味するところは、
xを整数とすると、
Ax紙の対角線の長さ≒Bx紙の長辺の長さ
ということです。
解りやすい例をあげると、
A4 210×297mm
B4 257×364mm
A4の短辺に√3を掛ければ、A4の対角線の長さです。
210×√3≒210×1.7320508=363.730668≒364
B4の長辺とほぼ一緒ですね。
つまり、A4ノートの対角線とB5ノートを広げた長辺の長さがほぼ等しいということです。
この関係性は、あまり知られていないかと思います。
なんでこうなるのかというと、
面積が1.5倍
Ax用紙の面積×1.5=Bx用紙
で、これは面積比なので、辺の長さの比は√1.5=√3/2倍
Ax用紙の(短・長・斜)辺の長さ×√3/2=Bx用紙の(短・長・斜)辺の長さ
ということになります。
ここで、先程求めた
短辺:長辺:斜辺(対角線)=1:√2:√3
を使うと、
Ax用紙の短辺の長さ×√3=Ax用紙の斜辺(対角線)の長さ
Bx用紙の短辺の長さ×√2=Bx用紙の長辺の長さ
Ax用紙の短辺の長さ×√3/2=Bx用紙の短辺の長さ
両辺を√2倍して、
Ax用紙の短辺の長さ×√3=Bx用紙の短辺の長さ×√2
∴
Ax用紙の斜辺(対角線)の長さ=Bx用紙の長辺の長さ
となります。
サムネ画像がおもいっきりネタバレしてますね。
注意:
Bx用紙の斜辺(対角線)の長さ≠Ax用紙の長辺の長さ
ですので、注意してください。
Bx用紙からAx用紙では面積比で1/1.5=2/3倍、つまり辺の比では√2/3倍です。
Bx用紙の短辺の長さ×√2/3=Ax用紙の短辺の長さ
両辺を√3倍して、
Bx用紙の短辺の長さ×√2=Ax用紙の短辺の長さ×√3
∴
Bx用紙の長辺の長さ=Ax用紙の斜辺(対角線)の長さ
と、先程求めた式になりますね。
ではでは
お値段は面積比に比例とか、体積比に比例というわけには行かないようですね。
利用頻度の高いA4用紙が一番お手頃価格のようです。