前回はデータを出しましたので、今回はそのデータの分析ですね。
問題
□log□□□□-□C□×□-□=2020
上式は小町算の覆面算です。
小町算は1から9が1つずつ登場する計算式です。
9つの□を異なる1から9までの数字で埋めよ。
logは対数、Cはコンビネーション(組み合わせ)です。
でしたが、これをプログラミングの問題と解釈して、プログラムを書いて解いてみようという試みです。
そこで、プログラミング問題として、
1) |左辺-右辺|<1に該当する解をすべて求めよ。
2) 左辺が自然数になる解をすべて求めよ。
3) 等号が満たされる解をすべて求めよ。
が求まるようなプログラムを考えて、実行した結果のデータを前回出しました。
今回は、そのデータをあれやこれややっていこうかと思います。
右辺が整数の全7992行の解データを分析するために、
a^log_b(cde)が整数となる件数を、縦軸をa^log_b、横軸をcdeとして、
表にまとめる。
計Aは、全体の計
計Bは、4つの型との共通部分を考慮した計
縦軸の赤、青、緑は他の型で共通している。
また汎用型は、計Aにて2520を示している3行で横軸のオレンジ色部分。
すべてのデータのセルが12の倍数となっているのは、
コンビネーションの項と定数項
-fCg×h-i
が、f>gという条件より、半分となり、
4!/2=(4×3×2×1)/2=12
ということです。
汎用型以外で、計Aと計Bが等しくないところは、他の行と共通しているところがあるということを示している。
該当するデータを分類してみると、
cde同士が等しく、a同士、b同士が等しくない
49組見つかり、いずれも
(2^n)^log_(2^m)(cde)=(3^n)^log_(3^m)(cde)=x
というa、bにも規則があった。
また、解xは、1行目のx=24をのぞいて、すべて平方数であった。
(2^2)^log_2(c)=(3^2)^log_3(c)=x^2
これが成り立つのかの証明、
すべての辺を1/2乗する
2^log_2(c)=3^log_3(c)=x
すべての辺でlog_xをとる
log_2(c)×log_x(2)=log_3(c)×log_x(3)=log_x(x)
log_b(c)=log(c)/log(b)
のように、底が等しい分数の形に変形する
(log(c)/log(2))×(log(2)/log(x))=(log(c)/log(2))×(log(3)/log(x))=log_x(x)
分母分子が打ち消され、
(log(c)/log(x))=(log(c)/log(x))=log_x(x)
log_x(c)=log_x(c)=log_x(x)
これより、
x=c
であれば、成り立つ。
つまり、
(2^2)^log_2(x)=(3^2)^log_3(x)=x^2
より、
(b^2)^log_b(x)=x^2 ...法則[1](仮)
であれば、成り立つ。
つづいて、特殊な
2^log_4(576)=3^log_9(576)=24
については、cde=576=24^2と平方数で、
それぞれの辺を計算すると、
2^log_4(576)=2^log_4(24^2)=2^2log_4(24)=4^log_4(24)
3^log_9(576)=3^log_9(24^2)=3^2log_9(24)=9^log_9(24)
ということで、a<bという関係だったが、a=bとなった。
4^log_4(24)=9^log_9(24)=24
すべての辺でlog_24を取る
log_4(24)×log_24(4)=log_9(24)×log_24(9)=log_24(24)
底が等しい分数の形にする
(log(24)/log(4))×(log(4)/log(24)=(log(24)/log(9))×(log(9)/log(24))=log(24)/log(24)
分母分子が打ち消されて、
1=1=1
となる。
つまり、
2^log_(2^2)(x^2)=3^log_(3^2)(x^2)=x
より、
a^log_(a^2)(x^2)=x ...法則[2](仮)
ならば成り立つ。
では、残りの7組は?
4^log_8(125)=3^log_9(625)=25=5^2
4^log_8(729)=3^log_4(256)=81=9^2
4^log_3(729)=8^log_4(256)=4096=64^2=16^3
5^log_3(729)=9^log_3(125)=8^log_4(625)=15625=125^2=25^3
8^log_4(729)=9^log_4(512)=19683=27^3
6^log_3(729)=9^log_3(216)=46656=216^2=36^3
8^log_3(729)=9^log_3(512)=262144=512^2=64^3
解が平方数のみは2組、
解が立方数のみは1組、
解が平方数であり立方数であるのは4組、
となった。
解が平方数のみの2式について、
4^log_8(125)=3^log_9(625)=25=5^2
4^log_8(125)=4^log_8(5^3)=4^3log_8(5)=64^log_8(5)
3^log_9(625)=3^log_9(5^4)=3^4log_9(5)=81^log_9(5)
これは、
64^log_8(5)=81^log_9(5)=5^2
(8^2)^log_8(5)=(9^2)^log_9(5)=5^2
であるから、法則[1](仮)
(b^2)^log_b(x)=x^2
では、もうひとつの
4^log_8(729)=3^log_4(256)=81=9^2
4^log_8(27^2)=3^log_4(16^2)=9^2
4^2log_8(27)=3^2log_4(16)=9^2
(4^2)^log_8(27)=(3^2)^log_4(16)=9^2
すべての辺を1/2乗する
4^log_8(27)=3^log_4(16)=9 ...(1)
すべての辺でlog_9をとる
log_8(27)×log_9(4)=log_4(16)×log_9(3)=log_9(9)
共通の底の分数の形にする
(log(27)/log(8))×(log(4)/log(9))=(log(16)/log(4))×(log(3)/log(9))=log(9)/log(9)
(log(27)log(4))/(log(8)log(9))=(log(16)log(3))/(log(4)log(9))=1
平方数を2乗の形にして
(log(27)log(2^2))/(log(8)log(3^2))=(log(2^4)log(3))/(log(2^2)log(3^2))=1
外に出すと打ち消され、
(log(27)log(2))/(log(8)log(3))=(log(2)log(3))/(log(2)log(3))=1
立方数を3乗の形にして
(log(3^2)log(2))/(log(2^3)log(3))=(log(2)log(3))/(log(2)log(3))=1
外に出すと打ち消され、
(log(3)log(2))/(log(2)log(3))=(log(2)log(3))/(log(2)log(3))=1
分母分子も打ち消され、
1=1=1
となり、成り立つ。
つまり、(1)式
4^log_8(27)=3^log_4(16)=9
(2^2)^log_(2^3)(3^3)=3^log_(2^2)(2^2^2)=3^2
(2^2)^log_(2^3)(3^3)=3^2log_(2^2)(2^2)=3^2
(2^2)^log_(2^3)(3^3)=(3^2)log_(2^2)(2^2)=3^2
とすると、法則[1](仮)より、
2^log_(2^3)(3^3)=3^log_(2^2)(2^2)=3
3^log_(2^2)(2^2)=3は、
a^log_b(b)=a ...法則[3](仮)
2^log_(2^3)(3^3)=3は、
2^3log_(2^3)(3)=3
a^log_a(x)=x ...法則[4](仮)
という法則が見いだせる。
解が立方数のみの
8^log_4(729)=9^log_4(512)=19683=27^3
8^log_4(729)=8^log_4(9^3)=8^3log_4(9)=512^log_4(9)
9^log_4(512)=9^log_4(8^3)=9^3log_4(8)=729^log_4(8)
512^log_4(9)=729^log_4(8)=27^3
(8^3)^log_4(9)=(9^3)^log_4(8)=27^3
(b^2)^log_b(x)=x^2 ...法則[1](仮)は、
(b^n)^log_b(x)=x^n ...法則[1'](仮)ということだと考えられる。
8^log_4(9)=9^log_4(8)=27
8^log_4(9)=27
(2^3)log_4(9)=3^3
法則[1'](仮)より、
2^log_4(9)=3
2^log_4(3^2)=3
法則[2](仮)より、成り立つ
9^log_4(8)=27
9^log_4(2^3)=3^3
9^3log_4(2)=3^3
(9^3)^log_4(2)=3^3
法則[1'](仮)より、
9^log_4(2)=3
両辺log_3をとる
log_4(2)log_3(9)=log_3(3)
log_4(2)log_3(9)=1
共通の底で分数にすると、
(log(2)/log(4))×(log(9)/log(3))=1
(log(2)log(9))/(log(4)log(3))=1
(log(2)log(3^2))/(log(2^2)log(3))=1
(log(2)log(3))/(log(2)log(3))=1
1=1
とりあえず、これまでの法則をまとめると、
(b^n)^log_b(x)=x^n ...法則[1'](仮)
a^log_(a^2)(x^2)=x ...法則[2](仮)
a^log_b(b)=a ...法則[3](仮)
a^log_a(x)=x ...法則[4](仮)
法則[2](仮)は、
a^log_(a^2)(x^2)=x
a^2log_(a^2)(x)=x
(a^2)^log_(a^2)(x)=x
法則[4](仮)より正しいので、逆説的に
(a^n)^log_(a^n)(x)=x
a^nlog_(a^n)(x)=x
a^log_(a^n)(x^n)=x ...法則[2'](仮)
となる。
とりあえず、それぞれの法則を、新たにナンバリングしつつ、証明してみる。
法則[4](仮)→法則α(a=b∧c=x)
a^log_a(x)=x
両辺をlog_xをとる
log_a(x)log_x(a)=log_x(x)
共通の底で分数化
(log(x)/log(a))(log(a)/log(x))=log(x)/log(x)
約分して、
1×1=1
法則[3](仮)→法則β(a=x∧b=c)
a^log_b(b)=a
両辺をlog_aをとる
log_b(b)log_a(a)=log_a(a)
共通の底で分数化
(log(b)/log(b))(log(a)/log(a))=log(a)/log(a)
約分して、
1×1=1
法則[1'](仮)→法則γ(b^n=a∧c^n=x)
(b^n)^log_b(c)=c^n
b^nlog_b(c)=c^n
b^log_b(c^n)=c^n
法則αより正しい
法則[2'](仮)→法則δ(a^n=b∧x^n=c)
a^log_(a^n)(x^n)=x
a^nlog_(a^n)(x)=x
(a^n)^log_(a_n)(x)=x
法則αより正しい
法則ε(a=c∧b=b)
a^log_b(c)=c^log_b(a)=x
各辺をlog_bをとる
log_b(c)log_b(a)=log_b(a)log_b(c)=log_b(x)
法則まとめ
a^log_b(c)=x
a,b,c,x,n∈N
において、以下の法則が成り立つ
法則α(a=b∧c=x)
a^log_a(c)=c
法則β(a=x∧b=c)
a^log_b(b)=a
法則γ(b^n=a∧c^n=x)
(b^n)^log_b(c)=c^n
法則δ(a^n=b∧x^n=c)
a^log_(a^n)(x^n)=x
法則ε(a=c∧b=b)
a^log_b(c)=c^log_b(a)=x
これらの法則をつかって、左辺と右辺のcが等しくないもjのを証明する
4^log_8(125)=3^log_9(625)=25=5^2 ...(1)
4^log_8(729)=3^log_4(256)=81=9^2 ...(2)
4^log_3(729)=8^log_4(256)=4096=64^2=16^3 ...(3)
5^log_3(729)=9^log_3(125)=8^log_4(625)=15625=125^2=25^3 ...(4)
8^log_4(729)=9^log_4(512)=19683=27^3 .(5)
6^log_3(729)=9^log_3(216)=46656=216^2=36^3 ...(6)
8^log_3(729)=9^log_3(512)=262144=512^2=64^3 ...(7)
を解いてみる。
(1)式
4^log_8(125)=3^log_9(625)=25=5^2
4^log_(2^3)(5^3)=3^log_(3^2)(25^2)=25=5^2
4^log_(2^3)(5^3)=3^2log_(3^2)(5^2)=25=5^2
4^log_(2^3)(5^3)=9^log_(3^2)(5^2)=25=5^2
法則δ
(2)式
4^log_8(729)=3^log_4(256)=81=9^2
法則εより、
729^log_8(4)=256^log_4(3)=81=9^2
(9^3)^log_(2^3)(4)=(16^2)^log_(2^2)(3)=81=9^2
(9^3)^log_(2^3)(2^2)=(16^2)^log_(2^2)(3)=81=9^2
(16^2)^log_(2^2)(3)=9^2
16^log_(2^2)(3)=9=3^2
(4^2)^log_(2^2)(3)=3^2
4^log_(2^2)(3)=3
(2^2)^log_(2^2)(3)=3
法則α
(9^3)^log_(2^3)(4)=9^2
(9^3)^log_(2^3)(2^2)=9^2
(9^3)^2log_(2^3)(2^2)=9^2
((9^3)^2)^log_(2^3)(2)=9^2
(9^3)^log_(2^3)(2)=9
法則εを使い、
2^log_(2^3)(9^3)=9
法則δ
(3)式
4^log_3(729)=8^log_4(256)=4096=64^2=16^3
(2^2)^log_3(9^3)=(2^3)^log_4(16^2)=4096=64^2=16^3
(2^2)^log_3(9^3)=4096=64^2=16^3
(2^2)^log_3(9^3)=64^2
2^log_3(9^3)=64
2^3log_3(9)=4^3
(2^3)^log_3(9)=4^3
2^log_3(9)=4
法則εを使い、
9^log_3(2)=4
(3^2)^log_3(2)=2^2
3^log_3(2)=2
法則α
8^log_4(256)=4096=64^2=16^3
(2^3)^log_4(256)=16^3
2^log_4(256)=16
2^log_(2^2)(16^2)=16
法則δ
(4)式
5^log_3(729)=9^log_3(125)=8^log_4(625)=15625=125^2=25^3
5^log_3(9^3)=(3^2)^log_3(5^3)=(2^3)^log_4(25^2)=15625=125^2=25^3
5^log_3(9^3)=(3^2)^log_3(5^3)=15625=125^2=25^3
5^3log_3(9)=(3^2)^3log_3(5)=25^3
(5^3)^log_3(9)=((3^2)^3)^log_3(5)=25^3
5^log_3(9)=(3^2)^log_3(5)=25
5^log_3(9)=25
5^log_3(3^2)=5^2
法則εを使い、
(3^2)^log_3(5)=5^2
3^log_3(5)=5
法則α
(3^2)^log_3(5)=25
(3^2)^log_3(5)=5^2
3^log(3)(5)=5
法則α
(2^3)^log_4(25^2)=125^2
法則εを使い、
(25^2)^log_4(2^3)=125^2
25^log_4(2^3)=125
(5^2)^log_4(2^3)=5^3
法則εを使い、
(2^3)^log_4(5^2)=5^3
2^log_4(5^2)=5
2^log_(2^2)(5^2)=5
法則δ
(5)式
8^log_4(729)=9^log_4(512)=19683=27^3
(2^3)^log_4(9^3)=(3^2)^log_4(8^3)=27^3
(2^3)^3log_4(9)=(3^2)^3log_4(8)=27^3
((2^3)^3)^log_4(9)=((3^2)^3)^log_4(8)=27^3
(2^3)^log_4(9)=(3^2)^log_4(8)=27
(2^3)^log_4(9)=(3^2)^log_4(2^3)=3^3
(2^3)^log_4(9)=(3^2)^3log_4(2)=3^3
(2^3)^log_4(9)=((3^2)^3)^log_4(2)=3^3
2^log_4(9)=(3^2)^log_4(2)=3
2^log_4(9)=3
2^log_(2^2)(3^2)=3
法則δ
(3^2)^log_4(2)=3
法則εを使い、
2^log_(2^2)(3^2)=3
法則δ
(6)式
6^log_3(729)=9^log_3(216)=46656=216^2=36^3
6^log_3(9^3)=(3^2)^log_3(6^3)=46656=216^2=36^3
6^3log_3(9)=(3^2)^3log_3(6)=36^3
(6^3)^log_3(9)=((3^2)^3)^log_3(6)=36^3
6^log_3(9)=(3^2)^log_3(6)=36
6^log_3(3^2)=(3^2)^log_3(6)=6^2
6^log_3(3^2)=6^2
法則εを使い、
(3^2)^log_3(6)=6^2
3^log_3(6)=6
法則α
(3^2)^log_3(6)=6^2
3^log_3(6)=6
法則α
(7)式
8^log_3(729)=9^log_3(512)=262144=512^2=64^3
(2^3)^log_3(9^3)=(3^2)^log_3(8^3)=262144=512^2=64^3
(2^3)^3log_3(9)=(3^2)^3log_3(8)=64^3
((2^3)^3)^log_3(9)=((3^2)^3)^log_3(8)=64^3
(2^3)^log_3(9)=(3^2)^log_3(8)=64
(2^3)^log_3(3^2)=(3^2)^log_3(2^3)=64
(2^3)^log_3(3^2)=64
法則εを使い、
(3^2)^log_3(2^3)=8^2
3^log_3(8)=8
法則α
(3^2)^log_3(2^3)=64
(3^2)^log_3(2^3)=8^2
3^^log_3(8)=8
法則α
よっしゃ、
とりあえず全部証明した。
もう少し、法則をまとめたいな。
ではでは