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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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簡単な解法が思いつかない問題 -解答編-

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午後のひとときに、数学の問題を解いてみる。



問題

図のように半円が内接する三角形がある。
青エリアの面積は5、内角は60˚、
緑エリアの面積は23、
赤エリアの面積を求めよ。


十分にシンキングしているかとは思いますが、シンキングターイム。


解答



補助線として、
円の中心から、2斜辺へ垂線の足を下ろす。
円の中心から、頂点へ線を引く。

色付きの部分の面積を、中心角から求める式を考える。

f(x)=[直角三角形の面積]-[扇型の面積]
※xは度数法とし、tanには弧度法を与えることとします。

なので、半径をrとして、

直角三角形の面積は、rを底辺とすると、高さはr・tan(xπ/180)なので、
面積は、r2・tan(xπ/180)/2

扇型の面積は、(x/360)・πr2

よって、

f(x)=r2・tan(xπ/180)/2-(x/360)・πr2
=(r2/2)(tan(xπ/180)-xπ/180)

y=tan(xπ/180)
y=xπ/180
共に、単調増加関数なので、
f(x)も単調増加となります。
つまり、xとf(x)は1対1対応です。


青エリアは面積5、中心角30˚なので、

f(30˚)=(r2/2)(tan(30π/180)-30π/180)=5

という式になり、

(r2/2)(tan(π/6)-π/6)=5
r2=10/(tan(π/6)-π/6)
=10/(1/√3-π/6)
=10/(√3/3-π/6)
=60/(2√3-π)

半径rの2乗がが求まりましたので、f(x)の式は、

f(x)=(r2/2)(tan(xπ/180)-xπ/180)
=30(tan(xπ/180)-xπ/180)/(2√3-π)

となります。

f(β)=23
30(tan(βπ/180)-βπ/180)/(2√3-π)=23
tan(βπ/180)-βπ/180=23(2√3-π)/30

さて、βはどうやって求めるのでしょうか。

それぞれのβを左辺と右辺に分けたい。

tan(βπ/180)=βπ/180+23(2√3-π)/30

このように分けてみました。

y=tan(βπ/180) …(1)
y=βπ/180+23(2√3-π)/30 …(2)

(1)式は単調増加の曲線
(2)式は、傾きπ/180、y切片が23(2√3-π)/30、の直線
これらの交点を求めれば、βが求まりますが、実際はかなり難しいでしょうね。

ツールを使って求めたところ、
β≒46.7584642569192537107037728413236064678
と求まりました。

αを求めると、
α=(180-30-β)/2
≒51.6207678715403731446481135793381967661

赤エリアは、2・f(α)ですので、

2・f(α)≒67.286228703614288118952929684577176282

と求まりました。

さて、手計算でやるならどうやったら良いのだろうか。

もっと別の方法があるのだろうか。



ではでは


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