私も八王子勤務時代、秋津・新秋津の駅を乗り換えに利用していた。
地元民か鉄道好きしか解らないかと思うので説明すると、西武池袋線の秋津駅とJR武蔵野線の新秋津駅の二つの駅の問題なのです。
秋津駅-新秋津駅の道のりは300~400mで、徒歩4~5分といったところ。
(因みにホームからホームまでは150m程度である。)
その道のりは車道であり、道を挟んで両側が商店街となっている。
商店街としては、連絡通路を作られたら、商店街を通らないという危機感があるのだろう。
しかし、利用者からしてみると、何年もそこを通ったが、商店街で買い物をすることは殆ど無かった。
寄ったことのあるのは本屋だが、その本屋も既に無くなっている。
自自体としては、どちらも東京都東村山市秋津町なのだが、
駅は北東に偏っている。
北側は埼玉県所沢市、東側は東京都清瀬市という県境にある。
この環境は、行政としては難しい立地とも言える。
まずは、両駅のデータを調べてみよう。
ウィキペディアによると、2016年度の1日の平均乗降人員が出てている。
秋津駅 80316人(西武全92駅中9位)
新秋津駅 38583人(JR武蔵野線では6位)
もうちょっと詳細に見ていこう。
西武線全線
1位 | 池袋 | 484951 |
2位 | 高田馬場 | 301197 |
3位 | 西武新宿 | 177111 |
4位 | 小竹向原 | 132207 |
5位 | 練馬 | 127818 |
6位 | 国分寺 | 118792 |
7位 | 所沢 | 99994 |
8位 | 大泉学園 | 86759 |
9位 | 秋津 | 80316 |
この順位の意味するところは、
・都心の3駅がトップ3であること
・大泉学園駅以外は乗換駅であること
10位 | 石神井公園 | 79048 |
11位 | 田無 | 75240 |
12位 | ひばりヶ丘 | 70247 |
13位 | 清瀬 | 69382 |
14位 | 保谷 | 60672 |
15位 | 花小金井 | 56544 |
8位の大泉学園と、10位以降のこの辺は明らかにベットタウンであることが解る。
秋津駅の1日平均乗降人員は西武池袋線だけに限れば、
1位 | 池袋 | 484951 |
2位 | 小竹向原 | 132207 |
3位 | 練馬 | 127818 |
4位 | 所沢 | 99994 |
5位 | 大泉学園 | 86759 |
6位 | 秋津 | 80316 |
のように6位となり、大泉学園のベッドタウン、他の乗換駅としての両方を秋津は抱えているのではないだろうか。
方や新秋津駅は、
武蔵野線
1位 | 西船橋 | 136067 |
2位 | 南越谷 | 74191 |
3位 | 北朝霞 | 70145 |
4位 | 南浦和 | 59031 |
5位 | 武蔵浦和 | 51849 |
6位 | 新秋津 | 38583 |
7位 | 新松戸 | 38438 |
8位 | 東川口 | 34954 |
9位 | 南流山 | 33280 |
10位 | 西国分寺 | 29300 |
こちらも6位でした。
さて、秋津駅は8万人/日、新秋津駅は3.8万人/日。
このうちのどれくらいが乗り換えに使っているのだろうか。
データとしてはないのだが、かなりの量であることは確かである。
二駅間の商店街の通りは、通勤・通学時間帯は竹下通り並の混雑状態である。
商店街としては、この活気を目にしているわけで、連絡通路が出来れば、この活気はなくなるという危機感なのだろう。
活気があれば、物が売れるのかといえば、活気が無いよりは可能性はあるだろう。
また、この通りをアーケードにしようという計画があったようだが、これも商店街の反対で頓挫している。
つまり、乗り換え客は約5分の道のりを傘をさす必要があるわけです。
それを不憫に感じたのか、勝機と感じたのか、『親切傘』と称した無料レンタルをやったようだが、持ち帰りが多く、現在は取りやめになっている。
竹下通り並の混雑と書いたが、目的が違うということ。
竹下通りを通る人の中には、原宿駅と明治神宮前駅の乗り換えのために通るひとは居ないとは言えないが、目的はあくまでも竹下取りである。
方や、秋津・新秋津は、通勤・通学時の乗り換えが大半であろう。
残念ながら、それが現実だと思う。
ぶっちゃけて書くと、商店街の人は勘違いしている。
人通りが多ければ集客が見込めるという妄想です。
そもそも商店街は地元民に愛されてこそです。
吉祥寺のアーケードとかまでに成長すれば別だろうけど、アーケードにもしたくないんですよね。
そもそも鉄道は商店街の意見を聞いて反映させなければいけないものなのだろうか。
優先させるは乗降客の意見であり、そこには乗降客としての地元住民の意見も当然入る。
地元住民が駅前に求めるものと、乗り換えだけの乗降客が連絡通路に求めるものということを考えれば、自ずと答えは見えてくる。
連絡通路にあったら良いなと思うものは、トイレ、キオスクなどの小売店、自販機、ATMくらいだろうし、よくて立ち食いそばとかの軽食だろう。
方や、駅前に求めるものは、銀行、飲食店、商店街、コンビニ、交番、…。
多少は被るところもあるが、被らないところに限れば、乗り換え客としては、必要があれば駅を出ることも吝かではない。
それは、西武とJRという他路線であることも優位に働く。
裏を返せば、用が無ければ降りないということでもあるが、乗り入れではないので、乗り換えはしなければならない。
そもそも、用がないのに商店街を通り抜けるわけで、用がないのだから買い物をするわけでもない。
冷やかしの客でも客は客ですか?
商店街としての確率論は、人が増えれば販売量が増える可能性は高まるということだと思う。
しかし、確率論で考えるならば、母数を増やすというよりも、率を増やすことを考えるべきだろう。
商店街が連絡通路の反対をしているということを知った乗降客は、どう思うのかを考えているのだろうか?
そんな商店街で買い物しようと思うだろうか?
このまま行けば、どんどん敵対関係は進むだろう。
地元住民からしてみたら、通勤・通学時の異様なラッシュで道路が麻痺していることをどう思っているのだろうか?
連絡通路があれば、ここまで混雑しないということは思いもあるのではないだろうか。
西武池袋線が地上を走り、半地下をJR武蔵野線が走る。
つまり、地上には踏切があり、アンダーパスも作れない。
通勤時間帯の歩行者天国状態で、すべてが車両通行止めになっているかというと、そうでもない。
もし交通事故でも起きようものなら、…
簡単には解決しない問題だということは百も承知ですが、そろそろ何かを始めないとまずい状況になっているかと思う。
ではでは