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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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円周上に有理点は無数に存在するのか?

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午後のひとときに、数学の問題を考えてみよう。

問題
原点を中心とする円の円周上に、有理点は無数に存在するのか。

有理点とは、(x, y)座標において、x、y、共に有理数になるような点である。

原点(0, 0)を中心とし半径mの、円の方程式は、
x2+y2=m2 ...(1)


x切片を-m、y切片をn、m>n>0、とする直線の方程式は、
y=(n/m)x+n ...(2)

m>nという条件から、(1)式、(2)式の交点は2点あり、(-m, 0)と、もうひとつは第一象限に存在する。

第一象限の交点の座標を求める。
(2)式を(1)式に代入、
x2+((n/m)x+n)2=m2
x2+(n2/m2)x2+(2n2/m)x+n2-m2=0
((m2+n2)/m2)x2+(2n2/m)x+n2-m2=0 ...(3)

(3)式は、(-m, 0)を通るので、(x+m)で割り切れ、
(x+m)(((m2+n2)/m2)x+(n2-m2)/m)=0
((m2+n2)/m2)x+(n2-m2)/m=0
((m2+n2)/m2)x=(m2-n2)/m
x=m(m2-n2)/(m2+n2) ...(4)

(2)式に(4)式を代入すると、
y=(n/m)(m(m2-n2)/(m2+n2))+n
y=n(m2-n2)/(m2+n2)+n
y=(n(m2-n2)+n(m2+n2))/(m2+n2)
y=2m2n/(m2+n2) ...(5)

(4)、(5)より、2つの交点は、
(x, y)={ (-m, 0), (m(m2-n2)/(m2+n2), 2m2n/(m2+n2)) }
m, nが有理数であれば、上の2点は四則演算のみなので有理点となる。
m>nという条件より、有理数mより小さな有理数nは無数に存在するので、第一象限だけをみても、有理点は無数に存在することが証明された。


さて、第一象限の交点を(1)式に代入すると、
(m(m2-n2)/(m2+n2))2+(2m2n/(m2+n2))2=m2
(m(m2-n2))2+(2m2n)2=m2(m2+n2)2
m2(m2-n2)2+4m4n2=m2(m2+n2)2
(m2-n2)2+(2mn)2=(m2+n2)2 ...(6)

(6)式はピタゴラスの定理と等しいので、
a2+b2=c2
とすると、
a=m2-n2
b=2mn
c=m2+n2
という式で表せる。

なるほど、ここにつながるわけですね。


ではでは


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