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Channel: 円周率近似値の日に生まれて理系じゃないわけないだろ! - knifeのblog
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One-third angle formula

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ここ最近、ずっと頭から離れなくて、そろそろ決着をつけようと思っていた。

数学の公式に、三角関数の倍角公式(2倍角の公式)や半角公式といったものがある。

3倍角の公式はあるが、1/3角の公式は見たことがない。

ずいぶんと悩んで、紆余曲折して、やっと納得いく形が見えてきた。

そこまでの流れを一応おさらいしておく。

まずは、加法定理

sin(α±β)=sin(α)・cos(β)±cos(α)・sin(β)
cos(α±β)=cos(α)・cos(β)∓cos(α)・sin(β)

ここから、2倍角を求める。

sin(2θ)=2sin(θ)・cos(θ)
cos(2θ)=cos^2(θ)-sin^2(θ)=2cos^2(θ)-1

これらを使って、3倍角を求める。
sinもcosも両方やってもよいが、変形が楽そうなcosで話を進める。

cos(θ+2θ)=cos(θ)・cos(2θ)-sin(θ)・sin(2θ)
=cos(θ)・(2cos^2(θ)-1)-sin(θ)・2sin(θ)・cos(θ)
=cos(θ)・(2cos^2(θ)-1)-2sin^2(θ)・cos(θ)
=cos(θ)・(2cos^2(θ)-1)-2(1-cos^2(θ))・cos(θ)
=2cos^3(θ)-cos(θ)-2cos(θ)+2cos^3(θ)
=4cos^3(θ)-3cos(θ)

sin(3θ)=-4sin^3(θ)+3sin(θ)
cos(3θ)=+4cos^3(θ)-3cos(θ)

これが3倍角の公式である。

y:=cos(3θ), x:=cos(θ) と置くと、
y=4x^3-3x
4x^3-3x-y=0

という三次方程式であることがわかるだろう。
カルダノの解法でxを求めることとする。

x=:u+v と置くと、
4(u+v)^3-3(u+v)-y=0
(u+v)^3-(3/4)(u+v)-y/4=0
u^3+3u^2v+3uv^2+v^3-(3/4)(u+v)-(y/4)=0
u^3+3uv(u+v)+v^3-(3/4)(u+v)-(y/4)=0
u^3+v^3-(y/4)+3uv(u+v)-(3/4)(u+v)=0
u^3+v^3-(y/4)+(u+v)(3uv-(3/4))=0

x=u+v≠0のxを求めたいので、
u^3+v^3-(y/4)=0 ...(1)
かつ
3uv-(3/4)=0 ...(2)
を満たすu、vを探す。

(2)式より、
3uv-(3/4)=0
3uv=3/4
uv=1/4
v=1/(4u)
これを(1)式に代入すると、
u^3+(1/(4u))^3-(y/4)=0
u≠0なので、両辺をu^3倍すると、
(u^3)^2+(1/4^3)-(y/4)u^3 = 0

u^3=:X と置くと、
X^2-(y/4)X+(1/64)=0
64X^2-16yX+1=0
という二次方程式が出来、これを解くと
X=u^3=(y±√(y^2-1))/8
uとvは可換なので、
u^3=(y+√(y^2-1))/8
v^3=(y-√(y^2-1))/8
としても一般性は失われない。

u={
ω^0・(y+√(y^2-1))/8)^(1/3),
ω^1・((y+√(y^2-1))/8)^(1/3),
ω^2・((y+√(y^2-1))/8)^(1/3)
}
但し、ωは3乗すると1になる値、(-1+√(-3))/2

一つの解、
u=((y+√(y^2-1))/8)^(1/3)
のとき、
v=((y-√(y^2-1))/8)^(1/3)
なので、
x=u+v=((y+√(y^2-1))/16)^(1/3)+((y-√(y^2-1))/16)^(1/3)
x, yを元に戻す。
cos(θ)=((cos(3θ)+√(cos^2(3θ)-1))/8)^(1/3)+((cos(3θ)-√(cos^2(3θ)-1))/8)^(1/3)
θ→θ/3、3θ→θとすれば、
cos(θ/3)=((cos(θ)+√(cos^2(θ)-1))/8)^(1/3)+((cos(θ)-√(cos^2(θ)-1))/8)^(1/3)
cos(θ/3)=((cos(θ)+√(-sin^2(θ)))/8)^(1/3)+((cos(θ)-√(-sin^2(θ)))/8)^(1/3)
cos(θ/3)=((cos(θ)+i・sin(θ))/8)^(1/3)+((cos(θ)-i・sin(θ))/8)^(1/3)

sin(θ/3)={
(ω^0・(-sin(θ)+i・cos(θ))^(1/3)+ω^0・(-sin(θ)-i・cos(θ))^(1/3))/(8)^(1/3),
(ω^1・(-sin(θ)+i・cos(θ))^(1/3)+ω^2・(-sin(θ)-i・cos(θ))^(1/3))/(8)^(1/3),
(ω^2・(-sin(θ)+i・cos(θ))^(1/3)+ω^1・(-sin(θ)-i・cos(θ))^(1/3))/(8)^(1/3)
}
cos(θ/3)={
(ω^0・(+cos(θ)+i・sin(θ))^(1/3)+(ω^0・(+cos(θ)-i・sin(θ))^(1/3))/(8)^(1/3),
(ω^1・(+cos(θ)+i・sin(θ))^(1/3)+(ω^2・(+cos(θ)-i・sin(θ))^(1/3))/(8)^(1/3),
(ω^2・(+cos(θ)+i・sin(θ))^(1/3)+(ω^1・(+cos(θ)-i・sin(θ))^(1/3))/(8)^(1/3)
}

さて、三つも式が出来てしまうのが厄介なのである。

そこで、お得意のExcelを使って、適当な値をしらべてみます。





色を付けたところが、欲しいところになります。

Excelで複素数扱えるの?と言われる方、おそらく業務で使うことはないので知らないでしょうね。
COMPLEX関数、IM関数を使うと、ちゃんと計算できます。

つまり、ωの指数をθの関数に落とし込めれば、三つも式が要らなくなるということです。


Radians version


Degrees version


他にもいろんなバージョン(例えば三角比バージョンとか)を作ったけど封印しようかな。

それにしても、ωの指数のところ、もうすこしどうにか出来ないものか。



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